現状回復義務のある土地を売るのが大変だったわ|福井県20代男性
昔、祖父は自営業でレストランをやっていました。田舎の山奥でしたが、隠れ家的な存在で人気メニューの味も接客もそこそこ評判が良く、地元では人気もあったようです。私にとっては、遊びにいくたびに面倒を見てもらい、お小遣いも無理やり多めにくれる太っ腹なおじいちゃんでした。
祖父が体調を崩してからは店は閉めまたそうです。ただ、この昔のレストランがあった土地が、私の父を相続手続きで苦しめた、いわくつきの土地だったのです。
この土地は、沢から水を引き込むために国道を横切って管を敷設していました。ただし、この水道管は契約条項で現状回復義務が定められており、このままの状態で土地を引き渡せない約束になっていたのです。
もし土地を誰かに売りたければ、沢から土地までに続いている水道管を撤去するために、往来する車両を通行止めにした上で、業者に撤去作業依頼を出す必要があります。その費用が下手に見積もっても1,000万円はかかるようでした。
どうすればよいのか途方に暮れていた時に・・・ご縁で相談に乗って頂いた不動産仲介業者さんは、まさに神の救いの手を差し伸べてくれたのです。
もう何十年も前のレストランを営んでいた土地まで出向き、実地調査を行い、物件状況報告書というのをまとめてくださいました。そこから契約変更のための役所対応・土地を買いたい人との古くなった水道管の修復工事修繕条件の交渉まで何から何までまるっとやって頂き、無事に円満解決したそうです。
父も父で色々と苦労したみたいですが、祖父が家族を支えるために仕事をしてきた場所と思い出を汚すことなく、売買交渉をまとめてくれた仲介業者の方には感謝しきれないと言っていました。